ETCマイレージサービスとは?仕組みや交換方法・還元率を解説!

ETCマイレージサービスとは?仕組みや交換方法・還元率を解説!

有料道路の利用料金に応じて、ポイントを獲得できる「ETCマイレージサービス」。高速道路の料金所を、スムーズに通過できる「ETCシステム」のことは知っていても、このETCマイレージサービスについてはわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はETCマイレージサービスがどのような仕組みで、どうすれば利用できるのか詳しく解説していきます。この記事ではETCマイレージサービスについて基本的な概要が理解できるかと思いますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

ETCマイレージサービスとは?

ETCマイレージサービスとは、ETCカードを所持している方が利用できるサービスのひとつです。高速道路など有料道路の通行料金に応じてポイントがもらえるETCカード独自のサービスのことをいいます。

ちなみにETCマイレージサービスは、下記の道路事業者が共同で運営を行っていることも特徴的です。「名前だけなら聞いたことがある」という方も多いかもしれません。

<共同運営している4社の道路事業者>

  1. NEXCO東日本
  2. NEXCO中日本
  3. NEXCO西日本
  4. 本州四国連絡高速道路株式会社

ではETCマイレージサービスでもらえるポイントはどうやって取得し、どのような場面で役立つのでしょうか。

ETCマイレージサービスでポイントを取得する方法は、登録したETCカードで対象の有料道路を走行することのみです。要するに、ETCカードを使用して通行料金を支払うことで、金額に応じたポイントが付与されるという仕組みですね。

例えば、クレジットカードと同じ仕組みと考えればわかりやすいかもしれません。クレジットでもそのカードを使用してなにかを購入した際、ポイントが付与されると思いますが、ETCマイレージサービスも仕組み自体に変わりはありません。

ただ、ETCマイレージサービスで獲得したポイントの取り扱いにはやや癖があるので注意が必要です。

ETCマイレージサービスでは、貯まったポイントを還元額に交換することで高速道路や有料道路をその金額分だけ無料で通行できます。しかしポイントの使い道はそれだけで、ほかの用途では一切使えません。その点はETCマイレージサービスのやや残念なところといえるでしょう。

とはいえ、本来有料の道路を無料で通行できることを考慮すると、ETCマイレージサービスは大変魅力的なシステムであることに変わりはありません。

有料道路の利用で獲得したポイントを、有料道路の利用で活用できる、それがETCマイレージサービスのメリットであり、同時にデメリットでもあると捉えてくださいね。

ETCマイレージサービスを利用するためには事前登録が必要になるので、その方法についても確認しておきましょう。

ETCマイレージサービスの登録方法

先述したとおり、ETCマイレージサービスを利用するためには事前登録が必須です。ETCマイレージサービスはカード発行後に、事前登録をしなければポイントは一切付与されないのです。

その点だけはクレジットカードのポイントシステムと異なるので、ETCマイレージサービス独自の特性と理解しておきましょう。ただETCマイレージサービスは、登録料や年会費などは不要です。クレジットカードとは違い、完全無料で使えるというメリットがあることも合わせて覚えておいてください。

ETCマイレージサービスの事前登録には、以下3つのものが必要です。スムーズに手続きを進めるためにも事前に準備してからETCマイレージサービスの登録に移りましょう。

<登録前に準備しておくもの>

  • ETCカード:ETCカード付きのクレジットカード
  • ETC車載器管理番号:ETC車載器本体ラベルにある19桁の番号
  • 車両番号:ナンバープレートの4桁の番号

「ETC車載器本体のラベルの印字が見えにくい」などの理由で、19桁のETC車載器管理番号がわからないということも考えられます。そのような場合、「ETC車載器セットアップ申込書・証明書のお客様控え」で確認することもできるので、あわせて覚えておきましょう。

それでも番号がわからない場合には、セットアップしてもらった店舗に問い合わせると、申請書の控えを保存している可能性もあります。万が一のとき、そのような方法があると頭に入れておいてくださいね。

準備しておくものが揃ったら、ETCマイレージサービスの登録に移りましょう。

ETCマイレージサービスの事前登録は、オンラインと郵送で手続きができます。「どちらの手続きのほうがいいのか知りたい」という声が聞こえてきそうなので、それぞれ登録方法の特徴をまとめました。

【登録方法別の特徴】

登録方法特徴
オンライン・自宅で登録ができる
・登録までが早い
・ポイントの付与が早い(申し込み当日から)
郵送・配布されている専用申込書を準備する必要がある
・登録完了までに日数がかかる

「手続き手軽に早く終わらせたい」「ポイントを早く貯めたい」という方であれば、オンラインから登録手続きすることをおすすめします。

一方「オンライン手続きが難しい」と感じる方は、郵送で事前登録をするといいでしょう。ただ郵送の場合、高速道路の料金所事務室や、パーキングエリアなどにある専用申込書を準備しなければなりません。

その為、オンラインからをおすすめしますが、郵送でも手続きが行うことが出来ます。

オンラインなら約1週間、郵送の場合は約2~3週間で、ETCマイレージサービスの利用に必要な「マイレージID」と「パスワード」が送られてきます。大事に保管しておきましょう。

ETCマイレージは自動還元がおすすめ?

ETCマイレージの交換に「手間をかけたくない」という方や「還元額への交換を忘れてしまいそう」という方には、自動還元サービスがおすすめです。

自動還元とは、ポイントが一定額まで貯まると無料走行分に自動交換してくれるサービスです。詳しくは後述しますが、ETCマイレージには有効期限が定められており、期限切れでもらい忘れを防ぐという意味で大変助かるシステムが自動還元サービスというわけですね。

自動還元の仕組みをイメージしやすいよう表にまとめたので、参考としてご覧ください。

【自動還元サービスのイメージ表】

道路事業者自動還元の設定ポイント無料走行分の金額
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社5,000ポイント5,000円分
本州四国連絡高速道路株式会社5,000ポイント5,000円分
名古屋高速道路公社1,000ポイント1,000円分
愛知県道路公社1,000ポイント1,000円分
神戸市道路公社1,000ポイント500円分
広島高速道路公社1,000ポイント1,000円分
福岡北九州高速道路公社1,000ポイント1,000円分

ただ上記の、ポイント数に届いていないまま有効期限を過ぎた場合は、当然還元はされないので注意してください。あくまで、設定ポイントに到達した際に還元されるシステムであることは理解しておきましょう。

自動還元サービスに興味が出てきたという方に向けて、申し込み方法を提示しておきます。自動還元サービスを利用する際にも、以下3つのいずれかの方法で手続が必要です。

<自動還元の申し込み方法>

  • ETCマイレージサービスのマイページから
  • 自動音声ダイヤル
  • ETCマイレージサービス事務局に電話

申し込み方法のおすすめは、24時間受付しているマイページと自動音声ダイヤルです。電話の場合は時間が定められていたり、繋がらなかったりする可能性があります。自動還元サービスを利用する際は、マイページと自動音声ダイヤルのいずれかの方法で手続きを進めましょう。

ETCマイレージの還元率は?

ETCマイレージの還元率は数%から10%と高めです。そのため、なかには「本当にそんなに還元されるの?」と半信半疑な方もいらっしゃると思います。

疑っている方に向けて、ここでは還元率を実際に算出していきます。還元率を求めるなら、それぞれ利用する道路事業者のポイントがどのような割合で付くのかを確認しなければなりません。

それではNEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社のポイントがどのような形で付与されるのか見てみましょう。

【NEXCO日本・宮城県道路公社のポイント付与】

ポイント獲得基準ポイント換算額
10円ごとに1ポイント①1,000ポイント500円分
②3,000ポイント2,500円分
③5,000ポイント5,000円分

上記の表を元に還元率を算出すると、以下のように割り出されます。

<ETCマイレージの還元率>

  1. 500円÷(10円×1,000ポイント)=5%
  2. 2,500円÷(10円×3,000ポイント)=約8.3%
  3. 5,000円÷(10円×5,000ポイント)=10%

NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社の還元率は、約5〜10%だということがわかりますね。通行料金の5〜10%が無料通行分として使えるとなれば、どれだけお得なサービスかわかっていただけるのではないでしょうか。

上記のほかに道路事業者によっては、月間利用料金に応じてボーナスポイントが付与されるところもあります。ボーナスポイントによって変動するため、明確に還元率を明記できませんが、ETCマイレージは基本的に数%〜10%ほど還元されるものだと思っておくと間違いないでしょう。

それでは、ほかの道路事業者のETCマイレージポイントの付き方についても提示していきます。

ETCマイレージのポイントの付き方

先述したとおり、ETCマイレージサービスではETCカードで対象の道路を利用することで、通行料金に応じたポイントが付与されます。

ただ注意が必要なのが、別の道路事業者で得たポイントはまとめて還元額に交換ができないということです。ここでいう「まとめて交換できない」とはどういう意味なのでしょうか。

あなたがある道路事業者Aで3,000ポイント貯まっている状態だと仮定します。その状況で別の道路事業者Bで2,000ポイント貯まった場合、同じETCマイレージという括りなら合計して「自分は5,000ポイント所持している」と思うのも仕方ありません。

ただ実際は、あくまで道路事業者Aで3,000ポイント、道路事業者Bで2,000ポイントを単独で持っているにすぎないのです。つまりそれぞれ道路事業者ごとで獲得したポイントは、完全に独立したものだと捉えておく必要があるのですね。

ポイントの特性について理解できたところで、道路事業者ごとのポイントの付き方を確認しておきましょう。

【道路事業者ごとのポイントの付き方】

道路事業者ポイントの付き方
・NEXCO東日本
・NEXCO中日本
・NEXCO西日本
・宮城県道路公社
10円ごとに1ポイントを付与
本州四国連絡高速道路株式会社
阪神高速道路株式会社100円ごとに3ポイントを付与
名古屋高速道路公社100円ごとに1ポイント+ボーナスポイントを付与
愛知道路コンセッション株式会社
神戸市道路公社50円ごとに3ポイント+ボーナスポイントを付与
広島高速道路公社100円ごとに1ポイント+ボーナスポイントを付与
福岡北九州高速道路公社

道路事業者によって、ポイントの付き方に振れ幅があることがわかります。また基本的に付与されるポイントとは別で、追加ポイントを付与している道路事業者があることも理解していただけるでしょう。

ポイントの付き方を理解したところで「貯めたポイントはどうやって使うの?」という疑問が出てきた人もいらっしゃるでしょう。ここからはポイントを獲得したあとの取り扱いについて解説していきます。

ETCマイレージポイントの使い方や交換方法

それぞれの道路事業者で獲得したETCマイレージポイントは、「有料道路の通行料金に充てる」という使い方しかできません。

「ポイントを換金して欲しいものを購入したい」とか「生活費に使いたい」と思われる方もいらっしゃると思いますが、残念ながらETCマイレージポイントはそのような使い方に対応していないのです。

本来支払う必要がある、有料道路の通行料金は還元額分を無料にできます。欲しいものがある方は、浮いたお金で購入すれば実質同じことだといえますね。

ではETCマイレージポイントを高速道路料金に充てるには、どのような方法があるのでしょうか。

<ETCマイレージポイント交換方法>

  • インターネットのマイページから手続きをする
  • 自動音声ダイヤルで手続きをする
  • 電話をして手続きをする
  • 自動還元サービスを利用する

電話で手続きをする場合は、「ETCマイレージサービス事務局」に問い合わせすることになります。必ず登録した本人が問い合わしなければなりません。また、タイミングによっては、回線の混雑により、手続きに時間がかかることも考えられます。

「交換で余計な時間をかけたくない」という方は、オンラインか自動音声ダイヤル、自動還元サービスのうちいずれかの方法を選ぶといいでしょう。手続きのデメリットを考慮すると、この3つの交換方法が何らかの理由で難しい場合に、電話で手続きするぐらいの認識で問題ありません。

ETCマイレージポイントの注意点

お得なサービスを利用する際は、どうしてもメリットばかりに目が向いてしまいがちです。しかし「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、注意しなければならないポイントはすべて押さえておきましょう。

<ETCマイレージポイントの注意点>

  • 有効期限が定められている
  • 道路事業者ごとに得たポイントはまとめられない

ETCマイレージポイントには交換の有効期限が定められています。その有効期限内に交換できなかった場合、せっかく貯めたポイントをすべて失ってしまうのです。では有効期限にはどれくらいの猶予があるのでしょうか。

ポイントが付与された年度の翌年の年度末が有効期限です。少しわかりにくいと思いますので、「2020年4月にポイントが付与されたと仮定」して有効期限がいつになるかを考えてみましょう。

ポイントが付与された2020年4月の年度期間は、2020年4月〜2021年3月までを指します。ポイントの有効期限はその次の年度末なので、この場合2022年3月までに交換しなければならないのです。理解できないという方は、「ETCマイレージポイントには有効期限があり、早めに交換しなければならない」ということだけでも忘れないようにしましょう。

ポイントの交換には、有効期限が定められていますが、交換後の還元額については、期限が定められていません。ポイントを貯めていても、失ってしまう可能性も。ポイントがある程度貯まったら、なるべく早く還元額に交換することを検討しましょう。

また、道路事業者ごとに獲得したポイントはまとめられません。ETCマイレージポイントを交換したり、有効期限を考えたりする際は、ポイントを一括して計算しないように注意してくださいね。

ETCマイレージが終了した区間

ETCマイレージは、区間によって取り扱いが終了している場合もあります。終了した区間を確認しておきましょう。

<ETCマイレージが終了した区間>

  • 阪神高速道路:大阪・兵庫地区のポイント付与(2012年3月31日で終了)
  • 阪神高速道路:大阪・兵庫地区の還元額の利用(2021年3月31日で終了)
  • 阪神高速道路8号京都線:ポイント付与と還元額の利用(2019年3月31日で終了)

ETCサービスを利用後に「ETCマイレージポイントが付与されていない!」と悔やむことがないように、この機会に上記区間については覚えておくといいでしょう。

まとめ

今回はETCマイレージサービスに興味がある方へ向けて、特徴や利用方法、注意点について詳しく解説してきました。

通行料金の支払い額に応じてETCマイレージポイントが付与されること、そのポイントを無料通行分に交換できることは、有料道路を利用する人にとって嬉しいシステムといえるでしょう。ただ事前登録が必要であったり、ポイントに有効期限が定められていたりといくつか注意点もあります。

今回の記事を参考にして、効率よくETCマイレージポイントを集めて、お得に有料道路を利用してみてくださいね。

この記事の執筆者

carbest編集部
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